子育ては「樹育て」、まちづくりは「森づくり」

Mr.Brain と「子育て、人育ては“樹を育てること”、まちづくりは“森を育てること”、子育て環境づくりとは“土、陽、水、肥料分の条件を整えること”ではないか」と議論しました。
まず「直根カット」が話題に上りました。
「直根カット」とは、「樹を早く成長させるために、真っすぐ下に伸びる根(直根)を切って、側根だけを残す植樹の方法」です。いわゆる樹の促成栽培術というべきものでしょう。
しかし、20年近く前、『伊勢内宮遷宮のときに使用する檜はすべて国外産になってしまった(国内は直根カット植林で内宮に相応しい反りの出ない材の確保が難しくなったので、直根を残す海外(台湾か中国だったと思います)の木材を使用せざるを得なくなっている)』というような報道が出たように、その促成栽培的植林技術に問題があることも指摘されています。
このことをきっかけに Mr.Brain との「二人ワークショップ」が自然と展開されました。
そこでの内容を以下に列記します。「子育て環境づくりには何が必要か?」の大きなヒントになっているのではないかと思います。
・直根カットは効率的、画一的、工場生産的林業なのだろう。 それは日本の教育にもあてはまるのではないか。
・檜林、杉林ばかりがもてはやされている考え方(教科学習成績だけで子どもの価値を測ってしまう風潮)はやはりおかしいのだろう。教育や子育てが産業に支配されている。産業のための教育や子育ては殖産興業・富国強兵以来まだ終わらないのか?
・原始林や雑木林にも「強さ」や「役割」はあるのではないか? 多くの動物や植物、微生物が檜林、杉林より豊かなのではないのだろうか? 保水力もあるのでは? 
・「根を切らないこと(大人の社会の価値観で子どもを育てない、評価しない)」に加えて、幼木が育って根を張っていくための土壌作り(夫婦、家庭、親に代わる人々、「安心して根を張れる居場所」づくり)が大切ではないだろうか。
・一本の樹だけ育てるのではなく、「森(集団、社会)」としても育てて行く視点が必要ではないだろうか。それこそがまちづくり、国づくりであるだろう。
・土作りには「微生物のバランス、それによる樹々と土の有機的な循環(樹はやがて土になり、同時に新しい種に変わる。それを為しているのが微生物)」が必要で、そのためには微生物のバランス(存在のバランスや活動量のバランス)が重要。
・生ゴミ農法(佐世保「大地といのちの会」)によると、土の温度が上がらず発酵ではなく腐敗へと進みそうな時、「食物廃油」を撒くことで土の温度を上げるらしいが、人の樹育て環境において「廃油」に相当するものとは何だろうか? 
・そもそも「土の温度が上がらない状態」とは? たとえば龍馬塾の子どもたちにあてはめてみると、「家庭の中の両親の和が保てずに子どもが不安を感じること」に相当するのかもしれない。
・実際、Mr.Brain の幼稚園では、「いままでと様子がちがう」と感じた園児の保護者にはすぐに連絡をとるそうですが、するとほとんどの場合「環境変化」が発見されるらしい。離婚、夫婦喧嘩、家庭内暴力、出産や妊娠、引っ越し、転勤等々。理由はさまざまですが、これらが幼児の不安をかき立てている可能性があるというのです。
・「樹が育つための養分を持ち、適度な温度によって微生物の正常な働きを促せる状態にある土作り・土の管理」、これは佐世保生ゴミ農法からの学びであるが、この生ゴミ農法を一度真剣に学ぶべきである。⇒ ということで、Mr.Brain と Mr.Xは佐世保の武内先生の講義を受けに行くことを決定(もちろん細部までノートを取り、写真も撮る「必死の」受講)。同行希望者は是非申し込んでください!!
・武内先生がおっしゃるように、「微生物の世界・動きは宇宙や人体と同じ」であるならば、その考え方は人の社会にも通用するはず。もしかすると「航海型計画・活動術(別の機会に紹介します)」につづく「土作り、樹育て、森育て計画・活動術」が整理できるかもしれません。